Cherry
タクシーに乗って
だんだん
実家に近づくと
「やっぱり懐かしいな」
みーくんは
頬杖ついて
窓の外を見て呟く
私達が生まれ育った風景……
タクシーを降りて
家の前に立つと
どうしよう
緊張してきた
ドキドキして
手が震える
みーくんに情けないって
思われたくないのに……
「大丈夫だよ」
みーくんは
優しく声をかけて
手を握ってくれる
「オレがいるでしょう」
みーくんを見ると
いつもの優しい笑顔だから
そうだね
みーくんが いる
これ以上ない
幸せをくれる人が
私の手を握ってる
「うん」
私は笑顔で
インターホンを押した