Cherry
昼頃
コンコン…
病室をノックする音がした
「…はい」
オレが答えると
「…翠。南は………?」
ドアを開けたのは
松雪のおばさん
「………おばさん」
オレは立ち上がり
姫の頬に触れて
「姫!お母さん来たよ。良かったな」
笑顔で話しかけた
「翠。もういいよ」
おばさんがオレの背後に近寄り
オレ腕をつかむ
「南は私が看ます。翠はもういいの」
………もういい?
何を言ってるんだ?
「翠は帰って休みなさい。こんなに、やつれて……」
「何を言ってるの?今日はせっかくの休みで1日中姫と一緒に居られるんだ」
せっかく一緒に居られるのに
家に帰るなんて もったいない