Cherry
3時間も ここで じっとしてるのかぁ
夜の病院って静か過ぎるし
消毒液の匂いも
真っ白の壁も天井も
何もかも
心細く不安な気持ちにさせる
ベッドの横の丸椅子に
みーくんが座る
「ねぇ、みーくん」
「どうした?」
「ずっと…そばにいてくれる?」
不安でいっぱいになった心は
いつもは言えない言葉を
私に言わせた
「ずっと姫のそばにいる」
優しい目を
とても優しい目をして
私の手を
両手で包んでくれる
みーくんの手
冷たくて、大きい。
「姫の手……小さくて柔らかいな……」
もしかしたら
みーくんは魔法使いかも 知れない