Make my day
common
桜がひらひらと舞う季節。
私は今日から、小学5年生になる。
高学年の仲間入りは、『責任』というものが重く感じて、新しい先生すらも恐くて目を合わせられない。
そんな私の名前は、森井 日和〔モリイヒヨリ〕。
「4組の皆さん、これからよろしく!担任の田川です」
『よろしくお願いします……』
新しいクラスのみんなも、緊張しているみたいで、そろえて言った言葉も小さく消えていった。
「あははは、そんなに固まらなくても良いよ。先生は恐いけど~」
田川先生は、1人で頑張って空気を変えようとしていた。
そんな私は、後ろにいる親友の晴海ちゃんと顔を見合わせ、クスクスと笑った。
「ん?森井、そこに可笑しいものでもあるのか?」
ギク…先生に目を付けられてしまった。
「え!?…いや…ありま~…せん?」
何を答えれば良いのかわからなくて、焦った私。
「先生に聞くなよ!」
先生は変顔をして、面白く私に言い返した。
「あはは…」
私は、どう反応すれば良いのか判らぬまま、苦笑いをする。
『あははははッ!』
そうやって、笑い出したのは、クラスのみんなだった。
うまいトコ、フォローしてくれたので、感謝。
気を取り直して、私は座りなおした。
すると、田川先生もクラスのみんなも雰囲気を変えた。
それからと言い、先生の話しや自己紹介、配り物から書く物まで、全てが終わり、休み時間に入ろうとしていた。