夢からなるキミへ
『このネックレスはね…前の彼氏に貰った大切なネックレスなの』

ミズキのその言葉を聞いて、僕は何故か複雑な気持ちになった。

『まだ前の彼の事好きなんですね…』

『うん。彼はね、上京したばかりで何もわからないあたしに、凄く優しくしてくれた。でもある日、突然あたしの前からいなくなって…連絡も取れなくて…』

ミズキは元気なく言った。

『それは心配ですね…』

『うん。…でも冷静に考えて見たら、あたしが一方的に捨てられただけなんだけどね』

ミズキは精一杯笑顔を作っていた。

『ごめんね、ケイゴ。いつまでも引きずってる前の彼のプレゼントを…ケイゴにしたらどうでもいいものを…必死に探してくれてさ』

ミズキは僕に謝った。

『ううん。どんなネックレスであろうと、それはミズキさんの宝物なんだから…もう落としちゃダメですよ』

僕はしんどい中精一杯ミズキに笑いかけた。
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