夢からなるキミへ
医者の説明を聞いた僕は、重い足取りで診察室を出た。

すると、トイレから戻ってきたミズキが、待ち合い室の椅子に座っていた。

『ケイゴどこ行ってたのよ?…ケイゴ!?』

ミズキは僕の様子がおかしい事に気付いたみたいだった。

『ミズキさん。お医者さんが、体調がすぐれないのは過労が原因だって。だから、しばらく入院してゆっくり休もうよ』

僕は必死に動揺を隠しながら、精一杯の笑顔で言った。

『過労が原因なの?なんだ…もっと重い病気なのかもって、心配しちゃってたし。過労くらいなら入院なんてしなくて大丈夫よ』

ミズキはホッとした様子だった。

『ううん。入院しようよ…その方が早く良くなるって。お願い…』

僕は必死にミズキに入院する事を勧めた。

『どうしたのケイゴ?そんな必死になって…何か変だよ』

『ミズキさんが心配なんです。だから…』

僕はミズキの目を真っ直ぐに見れなかった。
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