夢からなるキミへ
『そんな理由があったんですか…。でも、お願いします、もう一度だけ…もう一度だけで良いんで、ミズキさんに会ってあげて下さい』

僕はもう一度頭を深々と下げた。

『しつこいな…無理だって言ってるだろ!!ミズキには会えない』

リュウゴさんはそう言って、僕の前から立ち去ろうとした。

『待って下さい!!ミ、ミズキさん…死んじゃうんですよ!!』

僕は立ち去ろうとするリュウゴさんに向かって叫んだ。

『えっ!?ミズキが…どういう事だ?』

リュウゴさんは立ち止まってくれた。

『ミズキさんは…ガンなんです。もう残された命も後少しなんです…。だから…だから…』

僕は涙を流した。

『ミズキ…』

リュウゴさんはこぶしをギュッと握り締めた。

『最後にもう一度だけ…ミズキさんに会ってあげてください』

僕は頭をまた下げた。

『ケイゴとか言ったな…今お前がミズキの彼氏だろ?』

リュウゴさんは頭を下げる僕の傍にやってきた。
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