夢からなるキミへ
『ケイゴ、お前病院に行かなくて良いのか?』

声をかけて来た人を見ると、その人は親友のヒロだった。

『日に日に弱ってくミズキさんを見てるのが、僕には…辛い』

僕は弱音を吐いてしまった。

その言葉を聞いたヒロは、突然僕の顔をおもいっきり殴った。

『辛いって…お前が、ケイゴが弱音吐いてどうすんだよ!!』

ヒロは僕の胸ぐらを両手で掴み、街中で大声で怒鳴った。

『僕はミズキさんの何も力になれないんだよ…力になりたくても、なれないんだよ!!』

涙声でそう言った僕は、悔しい気持ちでいっぱいだった。

『力になんかなれなくて良いんだよ。彼女の事が大好きなら、今は傍にいてやるだけで十分なんだから。彼女の傍に笑顔でいてやれ』

ヒロのその言葉を聞いた僕は、心の中で張り詰めていた糸が切れたようだった。

僕にはミズキさんの病気を治すことも、リュウゴさんに会わせる事も出来ないけど…ただ傍にいてあげる事は出来るんだと気付いた。
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