夢からなるキミへ
僕はケーキを食べる手を止めうつむいた。

そんな僕の様子を見たミズキは僕を心配した。

『ケイゴ、どうしたの?』

『もし僕がサンタクロースになれたなら、ミズキさんにもっともっと、もーっとたくさんの時間を…幸せをプレゼント出来たのに…』

僕は膝の上でこぶしをギュッと握りしめた。

『ケイゴ…』

ミズキはそんな僕を見つめ、そっと呟いた。

『ケイゴは十分あたしに幸せをくれた。たくさん、たくさん幸せをくれた。ケイゴはあたしだけの、大切なサンタクロースだよ』

ミズキはニコッと僕に笑いかけてくれた。

ミズキのその言葉を聞き、笑顔を見た僕は、たまらずミズキを抱きしめた。

『ミズキさん…しばらくこうしてて良いですか?』

ミズキは軽くうなづき、僕はしばらくミズキを抱きしめていた。

『ケイゴってやっぱあったかい。あたしの居場所はずっとケイゴの腕の中で決まりだな』

ミズキは僕の腕の中で幸せを感じていた。
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