夢からなるキミへ
僕は仕方なくミズキの病室に戻った。

『ケイゴ…どうだった?』

ミズキは僕が病室に入るなり、わずかな期待を胸に尋ねた。

『やっぱりダメだって…。今の状態じゃ、外出は認められないって…』

僕がそう言うと、ミズキは悲しげな表情を見せた。

『そっか〜…残念だな…』

ミズキは目に浮かんだ涙を僕に見せないように、僕の方に背中を向け布団を頭まで被った。

そんなミズキの姿を見た僕はやり切れない気持ちで一杯だった。

僕はしばらくの間、病室の天井を見上げ考え込んだ。

そして僕は決心し、勢いよく立ち上がった。

『ミズキさん!!今から海に行きましょう』

僕がそう言うとミズキは布団から顔を出しこっちを見た。

『え!?…良いの?』

ミズキは突然の僕の予想外の言葉に戸惑っていた。

『うん、内緒で抜け出しましょうよ。その変わり海だけ見たらすぐに戻りますよ』

『ケイゴ…ありがとう』

ミズキは涙を零した。
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