夢からなるキミへ
『うん、そうですね』

僕はこの時ふと思った…このまま時間が止まれば、ミズキは死ななくて済む上に…このままずっとずっとミズキと一緒にいられるのにと。

僕は、この二人で過ごす同じ時間に…溢れるくらいの幸せを感じていた。

そして、近いうちにこの幸せが…この抱きしめてるミズキの温もりが…何よりも大好きなミズキのその笑顔が…消えてしまうんだと思うたび、僕は心の中で泣き叫びたくなった。

神様…あなたは一体何を望んでいるんですか?

僕たちから幸せを奪うのが楽しいのですか?

僕たちは幸せなままじゃダメなんですか?

僕からミズキを奪わないで下さい。

あなたからしたらミズキは、ただの65億分の1かも知れません。だけど…僕からしたらミズキは1分の1なんです。

だから…僕からミズキを奪わないで下さい。

神様…。


僕の目から零れ落ちる、思いの詰まったこの涙が流れ星となって…神様の所まで届けと、僕はひたすら願いを込めた。
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