夢からなるキミへ
そしてこの日から二日が過ぎる頃、仕事中の僕の携帯電話が突然鳴り響いた。

電話の相手はミズキの入院する病院からだった。

話しによればミズキは大変危険な状態だと告げられた。

僕は震える手で携帯を切り、重要な仕事をほうり出して病院へと走った。

この時の僕にはミズキの事しか見えていなかった。

ううん…ミズキの事しか見たくなかった。

僕が息を切らしミズキの病室に着くと、医者が僕の姿に気付き歩み寄ってきた。

『今は少し落ち着きましたが…もう時間の問題でしょう。彼女が目を覚ましたらまた呼んで下さい』

医者はそう言って、僕に軽く頭をさげ病室を出て行った。

僕はベットの傍のイスに座り、眠るミズキの手を両手でしっかり握りしめた。

医者にミズキは時間の問題といわれたのに…この時の僕は何故か不思議と落ち着いていた。

多分…静かに眠るミズキの寝顔があまりにも幸せそうだったから、この時ばかりは僕に…現実を忘れさせてくれていたんだと思う。
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