夢からなるキミへ
『ケイゴ…風邪ひかないようにね…』

『うん』

ミズキは相変わらず僕を心配していた。

『ねぇ、ケイゴ…』

『今度は…何ですか?』

僕が尋ねると、ミズキは寝転びながら僕の目をじーっと見た。

『1度で良いから…ミズキって…呼び捨てで呼んでよ…』

『えっ?呼び捨てですか?』

『うん…』

ミズキは静かにうなずいた。

『ミズキ…』

少し照れながら僕がミズキを呼び捨てにすると、ミズキはそれを聞いてクスッと笑った。

『何か…ケイゴに呼び捨てにされると…変な感じだな…』

『そ、そうですか!?』

『やっぱ…さん付けのが…あたしは良いかな』

ミズキは笑みを浮かべた。

『呼び捨てだと…僕も何か緊張します』

僕もミズキの笑顔に答えるかのように、精一杯の笑みを浮かべた。

『ケイゴ…今まで…あたしの傍にいてくれて…ありがとう』

ミズキのその言葉がまた僕の涙腺を緩めた。
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