暗黒ノ世界
「妄想とは違う。ロボットに乗って敵を薙ぎ倒していく事を考えたりはするが、それはあくまで想像だ」
「はぁ…。それを妄想と言うんだよ」
僕は立ち上がり、学校指定のコートへと手を伸ばす。
「で、今日は特にやることがないから僕は帰るけど、雄太はどうする?」
コートを着て、今度は何処にでもあるような鞄へと手を伸ばす。
「そうだな。俺も帰るよ」
雄太はコートは着ていたので、鞄にだけ手を伸ばす。
「今からバスだとあれだな。まだ時間がある。何処かに寄ってく?」
僕がストーブを消し、扉の前まで行くと、雄太がそう言った。
「じゃあ本屋に寄ろう。たまには何か買いたいし」
「分かった」
部屋の電気を消し、僕達は、ミステリー研究部と書かれた、旧校舎2階の一番奥の部屋を出た。