たった1つだけ
『どーしよぉ、遅刻だよーっ!!』
部室までタオルを取りに行った訳だが、
なかなか発見出来ずに時間は部活が始まる時間になっていた。
グラウンドにダッシュで向かう。
徐々にグラウンドが見え、陸上部もサッカー部も練習を始めていた。
『やっばい!』
そう言ってさっきよりスピードを上げ走り出す。
一瞬自分の前の黒い影を押さえる。
ドンッ
『うわっ!!!ごめんなさいっ』
その影に思い切りぶつかる。
「ぃ、ったぁ…。」
勢いよくぶつかってしまったことに後悔。
相手はあんまり関わりたくないサッカー部。
『本当にごめんなさい!!』
本当に今日はついてない。
「別に平気だからそんな謝らなくても…。」
一瞬睨まれたと思ったが案外優しい一言になぜか呆然。