涙が枯れるその日まで
私は海に足だけ入れてはしゃいでいて、陸くんは砂浜に座っていた。

最初のうちは陸くんに手を振りながら遊んでいたが、だんだん沖の方に意識が向いていった。

そのまま、私は砂浜から離れて海の中へゆっくりと入って行った。

この時の私は、悲しみが込み上げて来て不安に押し潰されていた。

涙が流れてきた。

波の音だけが頭の中で響いていた。


腰の上辺りまで海に浸かった時、いきなり腕を掴まれた。

陸「おい!みぃこ!」

私は陸くんの顔を見た瞬間、我に帰った。
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