涙が枯れるその日まで
私は昔から精神的に不安定で、自傷行為を繰り返していた。

自殺願望があった。

涼と仲良くなってからは落ち着いていたけど、弘樹と別れたことで不安な気持ちが再び溢れ出して来た。

というか、私は怖かったんだと思う。

自傷行為をしていることを知られたら、皆に嫌われてしまうんじゃないかって…

だから必死に隠してた。

腕にある傷は、服で隠していた。

でも、陸くんはそんな私を知っても受け入れてくれた。

それが何よりもうれしかった。

陸くんの優しさに触れて、いつの間にか涙は止まり、私は笑っていた。

私につられて陸くんも笑った。

そして、陸くんはキスしてきた。

私は拒否することもなく、そのキスを受け入れた。
< 116 / 301 >

この作品をシェア

pagetop