涙が枯れるその日まで
来る時につけていた暖房のおかげで、車内は少し暖かかったが、陸くんはまだ震えていた。

私「陸くんこのコート着て?」

私は陸くんに借りたコートを渡そうと、コートを脱ごうとした。

陸「俺は大丈夫だからお前が着とけ」

私「風邪引いちゃうよ?涼の家戻ろう?」

陸「やだ」

私「駄々っ子みたいなこと言わないの!」

陸「なんかお前母親みたいだな。笑」

私「人をおばさん扱いしないでください!」

陸「怒るなよ〜。短気は損気って言うだろ?」

私「だっておじいちゃんの陸くんに言われるなんて…ショックで立ち直れないよ」

陸「じじい扱いはひどいだろ。俺まだ18だっての!」

私「今日で19でしょ!陸くんサバ読んでる。笑」

陸「お前はそうやって人のあげ足をとるな」

陸くんが私のおでこを小突いた。
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