涙が枯れるその日まで
陸くんを見た状態で、私は完全に固まっていた。

陸くんもそれ以上は何も言わず、黙って私を見ていた。

見つめ合ったまま、数分間沈黙が続いた。


この沈黙を破ったのは陸くんでも私でもなく、陸くんの携帯の着信音だった。

陸くんは電話に出ず、携帯の電源を切った。

そして、いきなり笑いながら話し出した。

陸「俺マジでロリコンだよな〜。4つ下だろ?中学生とか自分が信じらんねえよ。でも安心しろ。付き合いたいとかじゃねえから。今の関係が俺らにはちょうどいいだろ」

私「陸くん…」

陸「てか、なんで俺お前に惚れたんだろうな?俺の好み知ってるだろ?年上で細くて綺麗な大人の女が好きだったんだけどな」

私「どうせ私は子供でデブでブサイクですよ〜だ!」

陸「そこまで言ってないって!たしかに普段ガキだけど、自分の考えちゃんと持ってるだろ。それにデブってほどじゃねえし、結構可愛い顔してるぞ」

ずっと恵美に悪口しか言われていなかった私は、陸くんが言ったこのフォローさえ、驚きのあまり涙が流れて来た。
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