涙が枯れるその日まで
今まで陸くんと何度もキスを交わしているが、私とってキスはそんなに軽いものじゃない。

それでも今まで受け入れていたのは、私の心の弱さのせいだ。

無意識のうち、拒んだら嫌われるって思っていたのかもしれない。

結局、陸くんといることの心地良さに、つい甘えすぎてしまっていた。

少し考えれば陸くんの気持ちに気付けたはずなのに、気付かなかったの周りが見えていなかったから。

中学生の私のことを、大学生の陸くんが好きになるはずないって思ってたから。

自分の考えでしか物事を見ることができなかった。

陸くんは言わないけれど、今までたくさん傷つけたんだと思う。

間違っているかもしれない。

でも、これが私なりの感謝の気持ち。

今まで支えてもらい、守ってもらった恩返しになればいいなって…

気持ちを込めて、最後のキスをした。
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