涙が枯れるその日まで
陸くんの腕の力が少し緩み、私は唇を離した。

ゆっくりと瞳を開くと、陸くんと瞳が合った。

私は恥ずかしくなり、陸くんの腕の中に再び収まった。

陸「お前顔赤くなってんぞ?」

私「だって恥ずかしいんだもん」

陸「あれ?今日えらい素直だな。いつもそうなら可愛いのに」

私「別に素直じゃないもん」

陸「はいはい。笑」

私「陸くんあのね…」

陸「言わなくていい。わかってるから」

私「ごめんね…」

陸「なんで謝るんだよ?最後にじっくり味わえたし満足♪」

私「変態オヤジ…笑」

陸「もうなんとでも言え。涼に飽きたら戻って来いよ」

私「飽きたら?笑」

陸「おう。まあ、涼に彼女がいる間は安心だな」

私「なんで?」

陸「お前とこうしていられるからな」

私「キスはないけどね。笑」

陸「なんか惜しくなってきた。もう1回しねえ?」

私「陸くんかっこ悪いよ?笑」

陸「マジ?俺のかっこいいイメージが…」

私「ないない。笑」

陸くんは弱虫な私の背中を押してくれた。

陸くんのおかげで、涼への気持ちが恋だとはっきりした。

でも私はすぐにこの陸くんの気持ちを裏切ることになる…
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