涙が枯れるその日まで
あまり話したくなかったけど、涼は何かあった事をわかっていたし、嘘をつく余裕もなかったから話したんだ…

話すだけでもつらく、泣きながら話した。

いつもなら、私が泣いたら涼は何も言わずに待っていてくれるんだけど、今回は違っていた。

目が据わっていて、今まで見た事のない怖い形相だった。

いつも何も言わずに私の話を聞いてくれるが、この時はいつもと違う、重い空気が漂った沈黙だった。

涼は明らかにキレていた。
話し終わると、涼は立ち上がって部屋を出て行ってしまった。

汚らわしい私に嫌気がさしたんだと思い、余計に泣けてきた…

しかし、奈々さんが入って来た。

奈々さんは私の前に座り、何も言わず抱きしめてくれた。
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