涙が枯れるその日まで

廊下を歩いて行くと涼の両親が立っていた。

涼「浩さんは！？」

涼父「今診てもらってるよ。私達は中にいると邪魔になるから。歩ちゃんと陸くんは中にいた方がいい」

涼のお父さんはそう言ってドアを開け、歩さんと陸くんが中へ入るように促した。

２人は急いで中へ入っていく。

中からは医者や看護婦の声に混ざり、誰かの泣き声が聞こえた。
多分奈々さんの泣き声だろう。

私達はただ黙って、ドアの前で立ち尽くしていた。

中から漏れてくる音が、状況の悪さを物語っていた。


どのくらい経ったのかわからないが、突然中から奈々さんの叫び声が聞こえた。

廊下にいる全員の頭に最悪の状況が浮かんだだろう。
青ざめた涼のお母さんがドアを開けた。