涙が枯れるその日まで
その後、あっという間に過ぎていった。

時間が経つにつれて、信じられなかった浩さんの死を、嫌でも認めるしかなかった。


浩さんの死によって、奈々さんの心は壊れてしまった。

笑っていたと思うと、いきなり泣き出し、誰が話し掛けても反応しなかった。

奈々さんは高校生までは感情の起伏が激しく、精神的にも不安定だったらしい。

でも浩さんと付き合ってからは安定していて、私は奈々さんが不安定な所を見た事がなかった。

奈々さんは浩さんとの結婚を控えていた。

浩さんの死を受け止めることができなかったんだろう。

奈々さんに浩さんはいないと言うと、叫び出して浩さんを探し出す。

そんな状態が続き、奈々さんは入院することになった。

涼の両親は少しでも浩さんの近くにいられるようにと、浩さんの実家に近い病院を選んだ。

そして、病院の近くに引っ越すことを決めた。

涼は転校することになった。

振ってから連絡を取っていなかったが、涼が引っ越すのは寂しかった。
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