涙が枯れるその日まで
久しぶりに涼に会える日、私は緊張していた。

前は毎日会っていたのに、急に会わなくなって普通に話せるか不安だったんだ。

そんな気持ちを抱えながら、私は涼の家へ向かった。

涼が住んでいた家は知り合いの夫婦に貸していて、戻って来た時は泊めてもらうことになっているみたい。


涼の家の前に着くと、涼は2階のベランダにいた。

そして私を見つけると玄関まで来てくれて、私は涼の部屋へ向かった。


久しぶりに涼の部屋に入ると、前と同じ場所にベッドとソファだけが置いてあった。

私が涼の家に来た時には必ず座っていた、お気に入りのソファ。

引越した時に持って行ったと思っていたから、嬉しかった。

私がソファに座ると、涼はベッドに座った。

2人でいる時は涼がベッドに、私がソファに座って話すのが当たり前になっていた。

自然と前と同じ位置にお互い座ったことも、私にとっては嬉しかった。
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