涙が枯れるその日まで
少しして泣き止んだ私は、ソファに座り直して考えた。

前の涼ならあんなことは絶対しなかった。

確かに涼はちょっと変態だけど、彼女以外に手は出さなかった。

なのにどうして…?

引越してから何かあったの?

そんな疑問が頭の中を巡っていた。


考えていると、コンビニの袋が視界に入った。

そういえば、涼は何を隠してたんだろう?

そう思い、何気なく袋の中を見た。


コンドームだった…


なんでこんな物買ってるの?

今の彼女は転校した高校の子でしょ?

今買う必要ないんじゃないの?

今使うつもりだったわけじゃないよね?

考えれば考える程わからなくなり、私は部屋を飛び出した。

すると廊下に涼が座り込んでいた。

私は座り込んでいる涼の前を走り抜け、そのまま玄関へと走って行った。

涼が何か言っていた気がしたが、聞く余裕なんてなかった。
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