涙が枯れるその日まで
どこを見るわけでもなく、涼に背を向けてぼんやりと前と向いていた。

すると、いきなり後ろから抱きしめられた。

抱きしめられる事は前にも何度もあったけど、今回は違った。

前に回して来た手が、私の服の中に入って来た。

私が体をねじって抵抗すると、ベッドから落ちてしまった。

すると涼もベッドから降りてきて、押し倒された。

私は暴れて抵抗した。

そんな私を見て涼は私から離れ、立ち上がった。

涼「そんなに俺の事嫌いか?」

私「それは話が違うでしょ?」

涼「もうどうでもいいわ」

そう言うと、涼はいきなり私をお腹を蹴った。

意味がわからなかったが、涼が何度も蹴ってくるので、とにかく耐えた。

隣の部屋にいる友達の事を思い出した。

大声を出せば誰か来てくれるだろう。

なのになぜか私は助けを呼ぶ事ではなく、涼に蹴られている事をバレないようにする事を考えていた。

だから顔や肌が出ている所を怪我をしないように、お腹で涼の蹴りを受け、黙って耐えた。
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