涙が枯れるその日まで
元々祐司は用事がない限り携帯を使わない人だから、あまり連絡を取っていなくて、その後1ヶ月くらいはお互い連絡をしていなかった。

そんな時、友香という友達から電話があった。


私「久しぶりだね。どうしたの?」

友「今涼と祐司がケンカしてるんだけど、何とかして!」

私「あの2人ならよくケンカしてるから大丈夫だよ」

友「みぃこの事でケンカしてんだよ!」

私「え?私の事って?」

友「涼がやっぱり結婚しないって言い出したの!」

私「え?どういう事?」

私がそう尋ねた時、電話の向こうで言い争う声が聞こえ、友香ではない声が聞こえた。

「あんたどこまで引っ掻き回せば気が済むわけ?」

私「え?その声…恵美?」

恵「そうよ!てか、あんた何なの?」

私「何が?意味が全くわかんないんだけど?」

恵「涼をさっさと解放してあげなさいよ!まだあんたの事好きとかほざいてるのよ!マジ消えて欲しいわ」

私「…え?」

恵「本当に何であんた生きてるわけ?さっさと死んで?うざいから」

そう言い放って、恵美は電話を切った。

私は全く状況がわからないまま、ただ呆然としていた。
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