涙が枯れるその日まで
私「ねえ涼?」

涼「ん?なんだ?」

私「なんかあった?」

涼「は?なんだ急に?」

私「涼高2の時引っ越してから変わったよ。まるで別人みたい」

涼「成長したって事じゃね?」

私「成長じゃないでしょ?グレたって感じ。引っ越してから何があったの?」

涼「お前うざいよ?」

私「うざくてもいい。私は理由が知りたいの」

涼「そんな昔の事忘れた」

私「覚えてるでしょ?」

涼「あー!わかったよ!話せばいいんだろ」

涼は俯きながら話し始めた。

涼「浩さんが死んで姉貴がおかしくなってから、家の中の雰囲気が変わっちまったんだ。ずっと葬式みたいで家にいるのが嫌になって帰らなくなった。てか、居場所がなかったんだよ。親は姉貴しか見てなくて、まともに話す事すらできなかった。マジこの年になってまで何言ってんだって感じだけど、家族って大事なんだなって思った。俺は色んな事から逃げ出したんだよ。そんな自分が嫌で自棄になっちまった…」

涼はとても弱々しく言った。
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