涙が枯れるその日まで
着いたのは涼の家だった。

涼「ちょっと待ってろ」

そう言って涼は車を降り、家の中へ入って行った。


涼はすぐに戻って来た。

涼「お待たせ」

私「何してたの?」

涼「これやるよ」

涼はリボンの掛かった小さい箱を差し出した。

私「なに?」

涼「どうみてもプレゼントだろ」

私「マジ?」

涼「いいから受け取れや」

涼が私の手の平に乗せた。

私「開けていい?」

涼「おう」

私は丁寧に箱を開けた。

中には、リボンのネックレスが入っていた。

私「これって…」

涼「前に欲しいって言ってただろ」

私「かなり前にね。笑」

涼「本当は3年前の誕生日に渡すつもりだったんだよ」

私「んで、渡せずに今まで持ってたと?」

涼「悪いか?」

私「ううん。ありがとう」
それは昔、何気なく涼に欲しいと話した物だった。

渡せなかったこのプレゼントを、今までずっと持っていた涼が可愛く思えた。

涼はプレゼントって物が苦手で、ほとんど人にプレゼントした事がない。

私もこれが涼からもらった初めてのプレゼントだった。
< 254 / 301 >

この作品をシェア

pagetop