涙が枯れるその日まで
寒い冬の夜に公園に来る物好きなんて他にいるはずもなく、公園には私達だけしかいなかった。

この公園には小さな展望台があり、私達はそこへ行った。

眼下には、まばらだけど夜景が広がっていた。

風が強く吹いていて、私は少し震えていた。

涼「寒い?」

私「ちょっとね」

すると涼は繋いでいた手を離し、私を後ろから抱きしめた。

涼「少しはいいだろ?」

私「あんまり変わんないかも。笑」

涼「ここは温かいって言うとこだろ?」

私「まあ、いいじゃん♪」

涼「なあ、みぃこ?」

私「なに?」

涼「お前が大学卒業したら、結婚しねえ?」

私「…はい?」

涼「嫌か?」

私「気が早過ぎるでしょ?」

涼「俺はお前じゃなきゃ嫌だ」

私「涼、私は軽い気持ちで結婚って言葉を口にしたくないんだ。だから今まで彼氏に結婚したいとか言われてもごまかしてきたの」

涼「今までの奴らと一緒にはされたくない」

私は涼の腕の中でくるっと回り、涼の方を向いた。

私「卒業するまでの3年間待てる?」

涼「今まで5年待ってたんだぞ?大丈夫だよ」
< 257 / 301 >

この作品をシェア

pagetop