涙が枯れるその日まで
1時間ほどして、涼は1軒の家の前に車を停めた。

私「ここ?」

涼「そう」

私「なんか久しぶりだから緊張してきた」

涼「そんな必要ねえよ」

私を落ち着かせる為か、涼は手を繋いでくれた。

そのまま玄関に向かって行くと、急に玄関のドアが開いて誰かが飛び出して来た。

母「みぃこちゃん、久しぶり〜!会いたかったわ♪」

涼のお母さんが私に抱き着いた。

私「おばさんお久しぶりです」

涼「外で抱き着くな!恥ずかしいだろ」

母「涼ってば器が小さいわよ?って、あら?二人共なんで手を繋いでるの?…あ!何々?いつから?おめでとう♪お父さんにも教えてあげなきゃ!お父さーん!」

一人で納得した涼のお母さんは、走って家の中へ入って行ってしまった。

私「おばさん相変わらずだね。笑」

涼「息子として恥ずかしいわ」

私「てか、手を繋いだままでいいの?」

涼「いいんだよ」

涼はそう言うと、開けっ放しの玄関へと入って行った。
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