涙が枯れるその日まで
東京に戻った私には、自分の家に帰るよりも先に陸くんの家に行き、涼との事を報告した。

陸くんは祝福してくれた。

その後年明けに涼が私の家に泊まりに来て、色んな所へ遊びに行った。

私達はたくさんの想い出を作りたかったんだ。

色々あった分お互いの存在の大切さをわかっていたから、一緒にいられる瞬間を当たり前だと思いたくなかった。

いつでもお互いを思いやる気持ちを忘れない様にしていた。

ケンカもいっぱいしたけど、すぐ仲直りできた。

こんなにうまくいっていたのは、涼だからだと思う。

普段なかなか自分の気持ちを言えない私が、涼にだけは素直に言えたんだ。

お互い好き勝手言い過ぎてた気がするけど、溜め込まないのが一番なんだって教えてもらった。

そして涼は私との約束を守り、キス以上の事はしなかった。
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