涙が枯れるその日まで
涼は顔を赤くさせたまま、俯いて拗ねている。

私「ヤキモチやかせちゃってごめんね?」

私はそう言って涼に抱き着き、キスをした。

こうすると、涼はいつもすぐに機嫌が良くなるんだ。

涼「これで許されると思うなよ」

私「顔が気持ち悪いくらいに、にやけてますけど?」

涼「…バレたか」

私「バレバレですから♪」

このやり取りがおかしくて、2人で笑い合った。

私は涼のこの笑顔が好き。

ぱっちり二重の大きな瞳が、くしゃっと潰れて優しい顔になるの。

この笑顔を見る度に、私は幸せな気持ちになれる。

私「ねえ、涼?」

涼「ん?」

私「ありがとう。大切にするから」

私は指輪のはまった左手を、右手で優しく包んで言った。

涼「じゃあ今日こそは…」

私「ヤんないよ?」

涼「ダメ?」

私「ダメ♪」

涼「マジか…」

私「指輪くれた時はかっこよかったのに、台なしだなこりゃ。笑」

涼「そんな…今の無しにならん?」

私「ならん!まあ、涼は昔から一言多いから仕方ないよ」

涼「たまには俺にもかっこつけさせろ!」

私「諦めも肝心よ?」

こんなバカなやり取りだったけど、私にとってこの日はとても大切な日になった。
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