涙が枯れるその日まで
陸「行くぞ」

私「どこに?ご飯は?」

陸「それ所じゃねえだろ。お前の地元帰るんだよ」

私「そんな急いで帰る事ないでしょ?来週には帰るもん」

陸「いいか、みぃこよく聞け。奈々は嘘なんてついてないんだよ。涼は死んだんだ。今行かないと、お前一生後悔すんぞ?」

私「陸くんまでそんな事言うの?涼が死ぬわけないって言ってるでしょ!」

陸「ちゃんと現実見ろよ!とにかく行くぞ」

陸くんはそう怒鳴り、暴れる私を抱え上げ、車に押し込んだ。

私は陸くんに怒鳴られた事にイラついていた。

この時の私は笑えない冗談だって思い込んでいたから。

いや、違う。

事実だと認めたくなくて、現実から目を背けていたんだ。

地元へ向かう車内、陸くんと私は一言も言葉を交わす事はなかった。
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