涙が枯れるその日まで
私は涼が死んだあの日から、涼の実家にいた。

奈々さんが私の事を心配して、一人にさせたくないからって。

奈々さんは浩さんの事があったから、誰よりも私の気持ちが分かったんだと思う。

奈々さんの心はあの時1度壊れてしまったけど、私には同じ思いをさせたくないって…

涼の両親も私の事をとても心配してくれた。

私の周りにはこんなにも優しい人達がいたのに、この頃の私はそれに気付けなかった。

涼が死んでから1ヶ月経っても、私は泣かなかった。

泣いたら涼の死を認めてしまう気がしたんだ…
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