涙が枯れるその日まで
奈「みぃこ、そろそろ認めなさい?これ以上逃げるんじゃないの。私も浩が死んだ時本当に辛かった。私はずっと浩の死を受け入れる事ができなかったから、何年も引きずったの。このままじゃみぃこも何年も苦しまなきゃいけなくなるよ?」

私「奈々さんしつこいよ?涼が死ぬわけないじゃん。涼は優しいもん。あいつが私を悲しませるわけないでしょ?」

奈「そんな事言ったってわかってるんでしょ?あの日、涼の顔をほとんど見てなかったよね?みぃこが来た時には、涼の顔はもう明らかに死人の顔だった。だから見なかったんでしょ?」

私「…そうだよ。血の気のない涼の顔を見るのが嫌だった…私こんな現実ならいらない」

奈「現実逃避して涼が喜ぶと思う?涼がまだ中学生の頃に言ってた。みぃこには幸せになって欲しいって。たぶん幸せにしてやれるのは自分じゃないけど、それでもいいんだって」

私「何それ…」

奈「なんで幸せにするのは自分じゃないって言ったと思う?」

私「…なんで?」

奈「自分はダメな奴だから、きっとみぃこを傷つける。だから友達として支えてやりたいんだって。でも、もしみぃこがそれでも自分を選んでくれるなら、一生かけて幸せにしたいって」
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