涙が枯れるその日まで
涼の両親に頼んで、1週間だけ涼の家を借り、泊まらせてもらった。


毎日涼が好きな物ばかり、2人分のご飯を作った。

夜には涼のマネをして、キッチンで立ったままビールを飲んだ。

今はもう吸わなくなったタバコを、ベランダで吸った。

涼が大好きな映画のDVDを何度も観た。

毎日涼のベッドで涼の匂いに包まれ、泣きながら眠った。

この1週間ずっと涼との想い出に浸った。

そして最後の日、私は涼の部屋のソファに座って、今までの涼との事を思い出していた。

初めて会った日、告白された日、蹴られた日、偶然再会した日、そして付き合った日…

色んな事があったなって思っていたら、陸くんが来た。

陸くんが迎えに来てくれる事になってたんだ。
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