涙が枯れるその日まで
車の中から、だんだん遠ざかる涼の家を見つめていた。

見えなくなって、私は話し始めた。

私「ねえ陸くん、心配かけてごめんね?」

陸「いいよ。落ち着いたか?」

私「うん。色々考えられた」

陸「変な事考えてたねぇか?」

私「大丈夫だよ。あのね、私が涼と出会ってもう7年になるんだ。辛い事もいっぱいあったけど、それ以上にたくさんの喜びや大切な事を教えてくれた涼と出会えて良かったと思う。私ね、涼に頼ってばかりだった自分から卒業しようと思うんだ。涼に恥じない生き方がしたいから。もう21だし、大人にならなきゃね」

陸「そうか。お前なりに答え出たんだな。でも無理はすんなよ?いつでも頼ってこい」

私「あはは。奈々さんにも同じ事言われたよ。陸くんありがとう」
< 296 / 301 >

この作品をシェア

pagetop