涙が枯れるその日まで
智也と私は軽く頭を下げて2階へと上がった。

2階の奥の部屋のドアを開けると、部屋にいた4人全員がこっちを向いた。

「お兄ちゃんおかえり」

智也の妹の佳奈。小さくてかわいい、お兄ちゃんが大好きな子。私と同じ歳。


「みぃこだぁ!待ってたよ♪」

そう言っていきなり抱き着いて来たのは麗子。
私の親友で、よき理解者。同じ歳なんだけど、大人っぽくてかなりかわいい子。その上性格もいいっていう女の子なんです。

「よぉ」

これは祐司。見た目は坊主で野球部って感じなんだけど、実はバスケ部です。頑固だし考え方とか古くておじさんみたいなんだけど、同じ歳。祐司はちょっといかつくて怖いんだけど、友達想いでいい奴。なんでもはっきり言ってくれるから、私は祐司を父親の様に思ってました。


「遅かったじゃん。智也に襲われてたのか?笑」

この失礼な奴が涼。涼も同じ歳。1番仲良くて、この頃は毎日会ってた。祐司と同じバスケ部で、2人は小学校からの親友だった。私のタイプじゃないけど、涼はかっこいい。とにかくモテる。でも私はこの時恋愛感情なんて全くなかった。涼は誰にでも優しくて、人気者だった。

私は麗子、祐司、涼と4人いることが多く、とにかく仲の良い仲間だった。
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