六花の騎士



背後に突き付けられた切っ先は、殺気を含んではいない


ティア・ローズという人物を表したように、ただ淡々とミーヤに敗北を突き付ける


うつむいた下でミーヤは、始めに感じた違和感を理解した



ティアには隙がある
しかしその隙は、おそらく………わざとだ


隙を作ることによって、そこに敵を誘い込む
誘い込まれた敵はそのままティアの手のひらの上、ということだ



(………負けた)



これは完全な負けだった


まるで海流に飲み込まれるようにして、ミーヤを戦えなくさせたのだ







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