六花の騎士



深夜、妙な物音でトーワは目を覚ました


「………?」


扉の前にいるはずの兵士の音ではないようだ、何故なら深く眠っていたトーワが気付く程の物音だからだ



「なんだ……誰かいるのか……?」




その時



扉を静かに開けて誰かが入ってきた
兵士の足音ではない
そして、暗闇にまぎれてしまう黒衣を着た誰か


「……誰だ」


暗闇に問いかけると、楽しんだような低い声が聞こえた


「お迎えに上がりました……」

「……えっ………………………っ!!」


返すひまもなくトーワの首に手刀が叩きこまれた
気を失ったトーワを抱えて、黒衣の男は窓から飛び降りる
二階の窓から軽く地面に着地して、走りながらトーワを見た



「これで、我々の願いが果たされる………」



男の姿は闇にまぎれて消えた






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