六花の騎士
「たが…『青薔薇の騎士』の名を渡されている…」
オーガレスが呟いた
その言葉に静かな沈黙が流れる
静寂を破ったのはリアだった
青い瞳を細める
「『青薔薇の騎士』……その名の意味は……
……不可能を可能にする力……」
青色の薔薇は本来存在しないものだ
歴史上、その称号を付けた者は、二つの意味で注目されることがある
「不可能を可能にし、世界を変うる希望の者か…」
ミラが言うとレイドも神妙に続ける
「それは存在しないもの、世界をねじ曲げ生まれた…破滅の者か……」
オーガレスは視線を目の前の机に止めている
「俺は………」
不敵な笑みを顔に刻み呟いた
「希望の者だと思うな…」
アルメリアの言葉が聞こえた気がした
『あの子がいれば面白いことが……起こりそうなんだもの』
あの方が何を望んでいるかは知らない
だが、アルメリアの都合どうりに行くだろうか?
不可能を可能にするのなら、この世界を
変えてはくれないだろうか……
オーガレスは窓から見える空を見つめる
遠い世界を夢見るように……