六花の騎士



「……お前」

「メノリよ」


お前と言われたのでツンとそう言い返す


「……そっちこそ何でこんなとこにいるんだ……」


憮然と呟くトーワにメノリは最初の意地悪のお返しとばかりに素っ気なく答えた


「散歩よ」


伝わったのかさらに憮然とする
なんだか前の様に無駄に意地悪な所がない



「……隣いい?」

「…………」



メノリは沈黙を了解と受け取って長椅子に座った
近すぎない少し距離を置いた場所に腰を下ろす
そのまま静かな沈黙が流れた
その沈黙が嫌ではなかった
だからだろうか、少したってふとメノリは呟いた







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