六花の騎士
とっさにメノリの言葉を否定していた
トーワは、不意に揺れ動く感情を押さえつけた
「……違う」
メノリは顔を背けようとはしない
真っ直ぐにトーワを見ていた
その瞳に耐え切れず、トーワが顔を背ける
「どんな理由があろうと、そんなもの関係ない……俺の力で……殺した……殺して来たんだ」
今でも聞こえる穏やかな町の喧騒
自分の奪ったかけがえの無いもの……
「……なら………貴方はいつまでそうやって、泣き続けるの?」
虚を突かれてトーワは顔を上げる
メノリはただ静かに呟いた
「……多分、貴方が自分で抱え込んでるものを思っている時………貴方は………ずっと泣いてる……」
そっと、誰にも気付かれないように