六花の騎士
幼い頃は、アルメリアにたいして反抗など出来なかった
押し付けられるままに行動するしかなかった
おかしいと思い始めたのは数年前
アルメリアは水属性の王族を嫌っていた
何処から来るのか、微笑む顔の裏では冷えきった視線を向けていた
「……自然なんだ……不自然なほど自然に死に向かわせている」
その手口は実に巧妙だ
普通に見ればアルメリアが関わっていることなど、これっぽっちもわからない
「俺は……あいつを死なせたくない」
キャリベルは沈黙する
トーワが口にしていることは、一歩間違えたらこちらが殺されかねない
しかし……………
キャリベルはトーワの前に膝をつく
六花の騎士としての正式な礼をとった
「我が主人の意のままに………真紅の薔薇騎士、キャリベル・ライレット名にかけて………」
薄紅の瞳がトーワを見据える
「お守りいたします」
トーワはそれに頷く
この騎士の気持ちに応えるだけのことはしたい
「ありがとう……」