六花の騎士



そう思ってメノリはほんのり顔を赤く染める。この間のトーワの言葉を思い出して


(……本当になんだったのかしら!?)


考えれば考えるほど、ぐるぐる思考の迷路に入ってしまう
ただ不思議と胸の鼓動が早くなる気はする。思わず手をとってくれていたティアの手を強く握った


「メノリ様?」

「あっゴメンなさい」


はっとして、メノリは馬車から降りる


元々鈍く、まだ十四才ほどのメノリにはその気持ちの正体は分からなかった


降り始めた雨から逃げるようにメノリ達はネイテル城へと急いだ
最後にメノリは空を見上げて感じた
それは、水属性のメノリだからこそ感じられたものだったかもしれない


(この雨……長引きそうね)





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