六花の騎士
雷光と雷鳴の夜
この子が王宮に上がって来て、あまり話していないことに気付いた
ソレも仕方ないと思った
14才かそこらで生活が一変してしまったのだ
戸惑って当然だろう
いつも掴み処がないくせに真面目なロッドは、儀式に参加しない『水流の天使』に最初こそ静かに怒っていたが、今は儀式も順調でご機嫌なようだ
そう……一度だけ会ったことはある
会ったうちに入るか分からないが、力が暴走したのを止めたことがあった
湖のような碧い瞳が嬉しそうに細められてユリアを見ている
内心、ユリアも凄く嬉しいのだ
同い年の人間はあまり王宮にはいない
聖花隊などには若い子もいるが、騎士を目指す者はそろって敬意を示してくる
そんな相手と『友達』にはなれない
だから……メノリと話せて嬉しい……
だけど、少し……
…………恐い