六花の騎士
講義が終わり、ユリアやロット達はそれぞれに帰ろうとしていた
「メノリは訓練塔に行く?」
「あっ、行きたい!」
ユリアはニッと笑う
「よーし!じゃあ行こう」
メノリの手をとってユリアが講義室の扉を開けようととしたとき、突然扉は開いた
「やあやぁ子供たち!久しぶりだね!」
勢いよく扉を開いて現れた男性にその場の全員の視線が注がれる
「…アルフレッド?」
「久しぶりだねユリア。仕事が忙し過ぎて大変だったよ」
ハハハっとにわかに疲れの滲んだ顔色でアルフレッドと呼ばれた青年は苦笑する
赤い髪に青い瞳、貴族的な雅びな服をさらりと着こなしている
「何でお前がここに……」
「おやぁ?ちゃんと講義に来てるのか、トーワ」
苦い表情と声で眉根を寄せたトーワにアルフレッドは茶化すように言う
「トーワにロットにユリアと……君が水流の天使か」
一人ひとり確認するように呟いて、メノリに目を止めると優雅にメノリの手を取る
「お名前は?お嬢さん」
「えっ、あの……メノリです」
「メノリ、か。私はアルフレッド、大地の天使だよ。よろしくね」
パチりとウインクをして、アルフレッドはメノリの滑らかな白い手に軽くキスをした