六花の騎士
その別荘は元々、ウォルター伯爵の物なのだが、アルフレッドは自由に使っている
何故なら彼は王族になる前はアルフレッド・ウォルター伯爵だったのだから
前の土属性の王族が亡くなってから20年の間、土属性の天使は現れなかった
アルフレッドが20歳の誕生日を迎えた日に髪は赤く染まったのだ
その頃にはもう父親が死に伯爵の地位を継いでいたため、この別荘は実質アルフレッドの物なのだ
別荘の一室に4人の人間が集まっていた
「君が王族になった時は死ぬほど驚いたよ」
クスリと呟く声にソファーに座るアルフレッドは可笑しげに答える
「俺も。まさか、レイドやキャリベルの上に立つなんてね……」
伯爵としてネイテル城で政務をこなしていたアルフレッドは騎士達とも親しい間柄だった
「それで?アルメリア様はどうなんだ、オーガレス」
オーガレスは赤い瞳をアルフレッドに向けた
「かなり危険だね。この前の暴動といい、また温室に籠もりきりだよ」
ミラは腰に手をあてて首をかしげる
「5年前のマリオン様の時もそうだったわ」
可憐な容貌を曇らせてリアも呟く
「今回の暴動は関係があるのですか?」